「新人を育てる」 「一人前の社会人に」
会社にとっては、新卒を一人前の社会人に育てるということは、重要な課題。
何年、つとめたら一人前なのでしょう?
以前はよく「5年つとめて一人前」とか「3年勤めないと職歴とみなされない」などという言葉をよく耳にしたものです。
5年つとめて一人前、とすると、ストレートの大卒だと、27歳。
会社側が5年の教育・経験で、やっと一人前だとみなしてくれる。
つまり、会社にとっては、社員が永く勤めてくれることを期待して、教育をし、5年後に一人前の社会人となり、会社の戦力となることを期待して先行投資をする。
だが、その一方で気になるのは、新卒の離職率。
「入社後3年目までに離職する割合」は大学卒で30%、高校卒では50%を超えるといわれています。
私の知人の中には、入社2年で会社をやめ、自分で起業をした人もいます。
会社勤めはせずに、大学卒業と同時に起業に挑戦する人も。
社会人5年には、すでに管理職になっていたり、取締役に就任している人も。
5年という時間の流れは、人それぞれなのでしょう。5年間で何を学び、何を身につけるのか?それもその人次第。その人の性格や能力にもよるのでしょう。
この「5年」という時間をどう思うか?
終身雇用制度の中で生きていたら、最初の5年は半人前、といわれても仕方がないような気もしますが、今の若年層にとってはどうなのでしょうか?
最近は、よく書籍やニュースでも、若者の離職率の高さや入社3年程度で会社をやめてしまう、ということが話題にされます。それらは常に過去と比較をされて いるわけですが、彼らの育った環境が大きく異なる、ということを考慮してほしい。もちろん、自分自身が「昔の若者」を体験しているわけではないので、確定 した発言はできまさせんが・・・。たとえば、自分が中学生・高校生だった頃と今の中学生や高校生を見比べてみる・・・と、大きな環境の変化と考え方の違い などを感じませんか?
就職する学生の側がかわったのだから、企業側もそれに見合う変化を求められる。
ここ数年は「第2新卒の募集」がよくみられるようになりました。これはその変化のよい一例ではないでしょうか?
「新卒で採用した学生が2~3年で辞めていってしまう」、その一方で、「2~3年間の社会経験である程度の教育をうけている人材を採用したい」という会社側の希望。
それらの採用が「中途採用」ではなく、「第2新卒採用」と呼ばれるのも、2~3年では、まだ社会人一人前とはいえない、という考え方から生まれた表現の一種なのかもしれませんね。
それでも、やはり、中途採用としては経験不足とみなれさ、不採用とされてしまう若者にとっては、ありがたい採用枠であることには間違いありません。
かくいう私もまだ、第2新卒採用枠にはいれるかも?(年齢制限は会社によってまちまちですからね)
自分では第2新卒枠にはいれるなんておもってもいませんでしたが、色々調べているとまだいける会社もあるようです!
ですが、年齢制限というのもの不思議ですよね。たとえば、応募資格に21~27歳迄という年齢制限で第2新卒を募集している会社がありますが、ストレート の院卒で社会人経験が3年だとすると28歳。経 験的には、第2新卒の枠なのに、年齢制限で排除されしまう。高卒で社会人経験2年でも、同様。不思議な現象がおきますよね。第2新卒枠、設定してくださる 企業の方には、ぜひ年齢制限ではなく、経験年数でお願いしたものです!
ところで。「3年後、新しいあなたに、きっとなっている。」
リクルートが提案する新たな採用方針。最長3年として1年ごとに契約更改してゆく新しいワークスタイル。3年後には「卒業」です、それまでに思いきっり自分の力を試してください。
以前から、リクルートは社員の独立を応援する企業として有名です。その表れとして、私自身、リクルート出身の起業者に多く出会います。現代の若者の心をつ かむような採用スタイル、さすがリクルート、と感心しました。この採用方針を後追いする企業が増えていくか?というと、これはまた別の問題でしょうが、 「人材こそが、リクルートの最大の価値であり、資産」といいはるリクルートならでは、感服です。
学生も以前より、就職に対する意識が高くなっているような気がします。
また、起業を意識し、社会勉強をするために数年間だけ会社勤めをしたいと考えている若者も増えているようです。そのような中で、少しでも永く一社員に勤めて欲しいと考え続ける企業。
やはり、採用前の面接段階でそこまで深く話しあうことができればいいのですが、面接の中でそこまで話しあうことはとても難しいようです。少しでも永くつとめてほしい、と思っている企業側は、「20代のうちの起業したいと思っています」という学生を採用するのか?
経営者の方と話をしていると、高い志をもっていることを認められるが、自社での採用がためらってしまう、という方も多いようです。もちろん、そういう若者 を応援したい!という気持ちはあるのでしょうが、会社に永くいてくれる人材を、と考えるとためらってしまうようです。難しい問題ですね。その一方で、リク ルートのように独立を応援してくれる会社もある。
やはり、学生側は等身大の自分を表現することと、そして、企業側はリクルート用の外向けの顔ではなく、よりリアルな企業の顔をみせることが重要なのでしょう。そのためにも、学生側も企業側もインターンシップをもっと上手に利用できればいいのかもしれませんね。
PR