多くの人が、給与をうけとるために、稼働時間の報告をしていると思います。
さて、その稼働時間と時間単価、作業の質について、考えたことありますか?
給与の内容としては、基本給や年齢給、勤続給、能力給、管理職手当などが中心だと思いますが、その中で、自分の時間単価と作業の質に比例について考えたことありますか??
営業さんなどであれば、営業成績に連動する部分があり、意識したことがある人も多いかもしれませんね。プログラマーの人などは、外注費として算出されるときには、能力に応じて単価が大きく違うのに、給与に換算すると大して差がない、というのもよくみかけます。事務職になると、ほとんど能力給に差がなく、年功序列のような体系もよくみかけます。
では、ここでひとつ、例を。
たとえば、ある問題が発生して、それを解決する担当がAさんだったとします。
しかし、Aさんは3週間たっても、その問題を解決することができませんでした。
そこで、Bさんに依頼したところ、Bさんはその問題を1時間で解決しました。
Aさんは月の4分の3をそこに費やしてしまいました。
しかし、Bさんは1日の8分の1の勤務時間ですべて解決ができた、というわけです。
では、AさんとBさんの時間単価は同じでいいと思いますか??
私は、否、だと思います。
もし、Bさんがそこで登場してくれなかった場合、Aさんはあとどれだけの時間をそこに費やしたのでしょうか?つまり、AさんとBさんでは、作業の質が違うということです。
作業に要した時間Aさんが1日8時間×3週間=120時間、Bさんが1時間。
その結果、問題解決できたのは、Bさんだけ。
つまり、BさんはAさんに比べ、119時間、他の仕事に時間を費やすことができるのです。それだけ、作業の質が異なるのですから、時間単価は大きく異なってもよいと思いませんか?
ですが、残念ながら、これは理解できない人が多いようです。
特に理解ができないのは、残念ながら、その場に居合わせたAさん自身だったりします。能力の差を見せ付けられても、それをなんともおもわない。それどころか、自分の方が長時間勤務をしたのだから、自分の方が高い評価をうけるべきだ!と主張する人さえ居てしまう始末・・・。切ないものです。
そして、また、能力の高いBさん自身が、そのことを主張できないでいるという傾向もよくみかけてしまいます。それは今まで働いてきた環境にもよるようですが、自分自身の価値に気が付いていなくて、ちょっともったいないなぁ、と転職を勧めたくなる気持ちもチラホラもってしまいます。
同様に、大企業にかかってしまった経営者の方などでも理解不能の方がいらっしゃるようですね。この場合は、社員の方々がかわいそうで仕方がありません。
経営者の方が、人件費を抑えたい一心からそう思ってしまう気持ちもわからないでもないですが、会社にとって能力の高い人は財産です。それが営業でもエンジニアでも事務職でも。能力の高い人をいかに囲いこめるか?、これは意外に重要課題ですよ。
そして、これは成績や数字というものが現れる職業の方が受け入れられやすく、事務職であったり、裏方業務であると、作業の質は軽視されがちの傾向にあるようです。ですが、どんな職業であっても、作業の質、コストパフォーマンスというものは、軽視できないと思いませんか?
経理であっても、Cさんが10日かかるものをDさんは1日で終わらせる。人事でも、Eさんが2週間かかるものをFさんは、半日で終わる、という例を私はいくつもみてきました。
それだけ効率が異なれば、給与に差があって当たり前、だと思いませんか?
あなたなら、どちらの人を雇いたいですか?どちらの人を部下に欲しいですか?
さて、今、目の前に、こなさなければならない仕事あります。
経験豊かな人を100万円払って、一人雇うのか?20万円で未経験者を5人雇うのか?
あなたなら、どちらを選びますか?
これは、経営者の好き嫌いがあるようです。
ちなみに、私なら、一人の人に100万円、払います。
未経験者であれば、教育も必要です。一人前に育てるまでに、多くの時間とお金を必要とするでしょう。だけれど、数年後、戦力となる人数は5人も育てられるかもしれないし、5人ともいないかもしれない。それよりは、今、すでに経験豊かであり、教育する側にも利益を生み出す側にもなれる人を雇いたい、と私は思うのです。
とはいっても、その人に100万円払う価値があるのかどうか?という点を見極めるのは、また難しいのですが・・・ね。
少なくとも、自分自身が、そのような高い時間単価を払ってもいい!と思ってもらえるような人材になりたいものですね。
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